Last Chapter:Heavy Melder and...

メガロポリスを出て1年
999は中間地点に位置する惑星ヘビーメルダーにある巨大ターミナル駅、トレーダーに近付く。
ganymede
恒星系に属さない闇の星だが、地熱エネルギーで潤っている。

ゆっくり降下する999。
劇場版999プラモデル
複数の分岐点を掻い潜り、999は1本のレールに降りる。
分岐点
この星での停車時間は、地球時間で7日と24分だ。

メーテルとは良好な関係が続いている。

プリントされたメーテルの性格と、「この子」本来の性格。
その2つが混在するこの身体と、俺は上手く付き合っていた。
メーテルは自分を「あたし」と呼び、この子は自分を「わたし」と呼んだので、どちらの性格が表に出ているか察することができたのだ。

トレーダーに着くと、メーテルはホテルで休むと言う。
木偶の坊立ちタイプG + Dollwig cute
ホテルなら安心とばかりに、俺は街へ繰り出した。

母星を離れ、宇宙を旅する変わり者の多くは、アメリカ開拓史のスタイルを好むのか、あるいは、すぐ手に入る物資で街を作るから、開拓時代に似通った佇まいになるのか、999の停車駅は西部劇に出てきそうな街並みが多かった。
西部の夜
ターミナル駅だけあって、ここはその特徴も顕著だ。

この街には、宇宙的ヒットを飛ばしているシンガー「リューズ」が歌うライブハウスがある。
俺もメガロポリスのスラム街でよく聴いていた。
999が到着した日にライブをやると聞いていたので、心躍らせながら向かう。

ライブは大いに盛り上がった。
ライブハウス
生のリューズを堪能し、その感動冷めやらないままホテルに戻る。

部屋のドアを開けると、ギシギシ物音がしている。

慌てて中に入ると、見知らぬ中年男がメーテルを犯っていた。
木偶の坊立ちタイプG + Dollwig cute
「あっ! あっ!」

物音に気付いた男は、挿したままこちらを向く。
「もう戻ってきたのか」
俺に気付いても、男はメーテルを突き続けた。

(バコン! バコン!)
木偶の坊立ちタイプG + Dollwig cute
「ああっ! あうっ!」

メーテル(あの子)は、救いを求める目をしている。
木偶の坊立ちタイプG + Dollwig cute
俺は逆上した。

「メーテルから離れろおおおおおおおっ!」
咄嗟に構えたコスモガンをぶっ放す。

(バビューン!)
コスモドラグーン
男は生身の人間で、胸に大きな風穴を開けて吹っ飛んだ。

「メーテル!」
俺はメーテルを抱きしめた。

メーテルがどこかに連絡すると、1分もせずに遺体処理のロボットが到着した。
彼女が慣れた手つきで操作パネルを操ると、パネルに「ブレインメモリ」の文字が浮かぶ。
この男をメモリチップ化するつもりらしい。

死体処理が終わり、ロボットからメモリチップが出てくる。
それを受け取ったメーテルは、騒動になると困るからと999へ戻る。

車内でメーテルから事情を聞く。
木偶の坊立ちタイプG + Dollwig cute
あの男は「Dr.BAN」と言い、メーテルの父親だが、身体は別人のクローンだと言う。
(意識の上では父と娘だが、身体はどちらも他人の物と言うことか)

Dr.BANは機械化人社会の反対勢力で、このトレーダーを拠点に活動していた。
クローン母体の欲求を満たすために、定期的にやってくる「メーテル達」から適当に選んではその身体を抱く。
オリジナルメーテルもそれに同意していたと言う。
(あの子はわかっていても嫌だっただろうに・・・)

さらに、メーテルはこの旅の目的を語り始めた。
木偶の坊立ちタイプG + Dollwig cute
「999の終点アンドロメダ駅のある星は、あたしと同じ名前の惑星メーテル」

文字通り、オリジナルメーテルの脳を中枢としており、星のほぼすべてを機械化人パーツで構成する機械惑星だと言う。
星の構成パーツになれる人間を連れて来るのがクローンメーテルの役割で、ターゲットの好みにあった容姿のクローンをマッチングするから、成功率も高いそうだ。

俺はパーツ候補として、白羽の矢を立てられたわけだ。
「この子」が俺好みだったのも、最初から仕組まれたことだった。

「この子」は、無期限パスを返す必要はないから、ここで別れてもいいと言う。
しかし、別れなど考えられないほど、俺は彼女を愛してしまっていた。

それは、オリジナルメーテルの思惑通りなのかも知れない。
だとしても、それさえ気にならないほど、俺は彼女を愛おしく思う。
しゃくな気もするが、俺に迷いはなかった。

ただ、そうまでして機械化を推進するなら、なぜ機械化に反対するDr.BANをチップ化したのか。
その答えも教えてくれた。

オリジナルメーテルも機械化の是非について迷いがあり、Dr.BANを必要としていると言う。
「この子」が任務に耐えられなくなったのは、そう言う葛藤もあったのだろうと推察した。
オリジナルメーテルもまた、多くの人と同じように、悩みを抱える一人だったのだ。

あらためてメーテルは俺にどうするか聞いてきた。

俺は一つ条件を出す。
機械パーツになる代償として、「この子」も一緒にパーツ化してほしいと頼んだ。
もちろん「この子」も同意の上だ。
オリジナルメーテルは、快く了承してくれた。

その後、俺たちの旅は順調に進んで行く。


1年後

車掌「大変長らくのご乗車、お疲れさまでございました。次は終点アンドロメダ、アンドロメダでございます。どなたさまもお忘れ物ございませんよう、お気を付けください」

999は終着駅「アンドロメダ」のある、惑星メーテルに到着した。
劇場版999プラモデル

俺と彼女は予定通り機械化手術を受け、この星のパーツとして組み込まれる。
星の一部となった彼女からは、メーテルの記憶が相殺され、彼女本来の自我だけが残った。

俺たちは、不安のない世界で、いつも一緒にいられる。

彼女がイメージを送ってきた。
木偶の坊立ちタイプG + Dollwig cute
(ああ、ここが俺たちの終着駅なんだ)

この上ない幸福感に包まれていた。

時に、西暦2220年1月、星野鉄郎が999に乗る、わずか2年前のことである。

おわり
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