写真を撮るようになって、きれいな色を再現したいと思っているのに、スマホで見ると汚く見えると言ったことが度々ありました。
撮影でちゃんとホワイトバランスをとっているのに、どうして端末によって色が違って見えるのか、調べてみると、モニターの色温度設定が大きく影響していることがわかってきました。
素人なりに、写真の色温度について調べ、理解したことを備忘録的に記します。

キャリブレーションやカラーマネジメントで厳密にモニターを追い込まれている方には無用な情報ですので、そっとスルーしてください。
キャリブレーションとは、モニターの劣化による色のズレを正しく補正したり、個人差のあるガンマ値などを規定の見え方になるよう調整することです。

テレビやPC画面、スマホ画面で画像を見る場合、ディスプレイの設定によって見え方が変わってきます。
主な設定として、明るさ、色温度、色合いがあります。
今回はその中の色温度(白)に関して記します。
(コントラスト、ガンマに関しては白への影響が少ないので割愛します)

色温度は、下げると白がオレンジっぽくなり、上げると鮮やかな青になります。
それとは別方向の色として、緑と赤紫(色相:Hue)の調整があります。
(色相に関してもここでは割愛します)
xy色度図上の色温度
xy色度図

色温度の起源
18世紀半ばから19世紀の英国
溶鉱炉で熱せられた「鉄」が、温度によって異なる色の光を発することから色温度の概念が誕生したそうです。
https://www.ccs-inc.co.jp/guide/column/light_color/vol33.html

現在では実際に存在しない理想的な物質、黒体(完全放射体)を想定し、それを元に色温度が定められているとのこと。

なぜケルビンと言う単位を使うのか。
絶対零度=0Kとして知られるケルビン。
摂氏(セルシウス)や華氏(ファーレンハイト)を使わず、ケルビンを用いるのは、「プランクの法則」を元にしているからだそうです。
プランクの法則とは、簡単に言うと黒体が温度別に出す色を正確に割り出す公式で、この公式に用いられたのがケルビンと言う温度の単位だったためなんですね。

なお、ケルビンが研究分野で一般化したのは「シャルルの法則」からだそうです。
シャルルの法則:一定の圧力の下で、気体の体積の温度変化に対する依存性を示した法則。

シャルルの法則とボイル・シャルルの法則は混同されがちですが、ボイル・シャルルの法則は、シャルルの法則・ボイルの法則・ゲイ=リュサックの法則を組み合わせたもので、気体の圧力P は体積V に反比例し絶対温度T に比例することを証明したもの。
ようするに発展版みたいなものですね。

それから、絶対零度は一般に-273℃と認知されていますが、現在の定義では-273.15 ℃
現在のセルシウス度(℃)は、ケルビンを元に定められているため、平常気圧での水の凝固点は0℃ではなく、0.002 519°C となり、沸点は99.974℃と改められているのだそうです。
(摂氏の元々の定義は、水の凝固点を0度、沸点を100度とするものでした)

さて、ケルビンの成り立ちがわかったところで、具体的に色温度について掘り下げていきます。
色温度
色温度が低ければオレンジ、高ければ青と言うのは前述の通りです。
工業的に「白」は6500Kに定められているそうです。

余談ですが欧米のテレビの基準は全て6500Kなのですが、日本においてはデジタル化で6500Kに準拠するよう定められたにも関わらず、すっきりした(青っぽい)色に見えると言う理由で9300Kを標準とするテレビ製品が未だに多いそうです。
ブラウン管時代の色温度が9300Kだった名残りかも知れませんね。

と言うわけで、PCの色温度は6500Kに設定すればいいと思われるかも知れません。
ところが、「印刷業界」での標準は5000Kなのだそうです。
これは一般環境(外光・照明共)に5000K前後の光が多く、プリントを照らす光源とのマッチングに寄るものとのこと。
(ちなみに太陽の光球色温度は、5778K)
5000Kは、日本印刷学会推奨規格で定められ、統一されているのだそうです。

さて、ここで問題になってくるのが、画像側の色調整です。
6500Kのモニターで見ると、5000Kで最適化した画像も9300Kで最適化した画像もなんとなく自然に見えます。
ところが、印刷用設定の5000Kのモニターで見ると6500~9300Kで最適化した画像はかなり黄ばんで見えてしまうのです。
テレビで9300Kが好まれるのと同じように、画像は青味がかった方がすっきりと見えて、オレンジ味が強いと極端に汚く見えてしまうと言うわけですね。
モニター色温度による最適化の差
ご覧の環境で5000Kの画像が青く見える場合、色温度を調整した方がいいかも知れません。

青いモニターで最適化すると、印刷ベースのモニターでは黄ばんで汚く見えます。
当然プリントした時も、黄ばんだ色で再現されてしまうわけです。

カメラのオート撮影なら狂わないのでは?
実はカメラのオート機能や、適当に白い物で合わせたホワイトバランスは意外とズレるらしいのです。
人の目と言うのは、どの色温度であっても「これが白」と認識すると、脳内で自然な色になるよう色補正を行います。
青いモニターの場合、カメラのホワイトバランスを厳密に追い込まずに撮った、色調がオレンジ方向にズレている画像でも、補色関係で相殺し、適切な色調として認識してしまいます。
そのため、色調がズレていることに気付かずに、カラーバランスの悪い画像を披露してしまうことになるわけですね。

簡単に言うと、色温度の高い(青い)モニターでは大抵の画像をきれいに見ることができますが、その分、正しい色判断がしづらくなると言うことです。

ネット上にある商品写真、タレント画像などの多くは、印刷ベースで色調を整えていますから、5000Kのモニターでとてもきれいに見えます。
それらの画像(印刷に適した色調)に足並みを揃えるには、ディスプレイの設定を5000Kにすることが望まれます。
6500Kの設定になれていると、かなりアンバー(褐色)に見えるかも知れませんが、すぐに慣れますし、適切な色の画像を表示・提供をするためなので、変更の検討をお勧めします。

もし、ディスプレイに色温度の設定がない、数値化されていないなどの場合、こんな無料ソフトもありますので、参考にしていただきたいと思います。

Sunset Screen
http://www.skytopia.com/software/sunsetscreen/
対応OS:Windows XP/Vista/7/8/8.1/10

自分も使っていますが、OS側での調整をキャンセルして指定した色温度にしてくれますし、簡単に無補正状態との比較、補正のON/OFFもできるのでお勧めです。

Windowsなどは、OSのディスプレイ設定と、ディスプレイドライバの2通りの色補正が入っていたりしますので、それらをすべてキャンセルしてくれるSunset Screenはとても有益だと思います。

OS(Win10)の色調整
Win10の色調整画面

ディスプレイドライバの色調整(一例)
ディスプレイドライバの色調整
これらはデフォルトにしておくことが望まれます。

Sunset Screenは英語のソフトですが、操作項目も多くないので難なく扱えると思います。
ディスプレイ側の色温度設定はどこでもいいのですが、一例として6500Kあるいはデフォルトにして、サンセットスクリーン側の色温度も6500Kにした時に、補正(Running)をON/OFFしても、画面の色に変化がなければ正確な色温度を得られていると判断できます。

6500Kに設定してあるにも関わらずON/OFFで差が出る場合は、Sunset Screenのスライダーで差の出ない近似値を追い込み、その差分を5000Kに加減すれば、ほぼ正しい色温度で表示できます。
(大きくはズレないはずなので、無補正でも問題ありません)

Sunset Screen設定画面
sunset screen
なお、昼間にナイトカラーを動かしても、デイカラーの設定で表示されるため確認できません。
操作する時間帯によって、デイカラー、ナイトカラーどちらを動かすかが変わります。

色温度の設定にズレがないことを確認したら、あとはデイカラー、ナイトカラー共に5000Kに設定すれば完了です。

以上、自分なりに調べたモニター色温度と表示される画像の関係でした。

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